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絹本著色涅槃図
昭和43・12・2市指定 絵画
縦156.5㎝ 横130.0㎝
涅槃とは、梵語で滅、寂滅と訳す。迷いや執着を断ち切って,いっさいの束縛から解脱する最高の境地をいう。釈迦の入滅を大般涅槃とよんでから、涅槃を死と同義語に考えるようになった。
平安時代以後釈迦入滅の日を涅槃会として釈迦の遺徳を修した。この時かけたのが涅槃図である。
涅槃図は、インド以来の仏伝図の一主題で沙羅双樹間の床上に横臥した涅槃像を中心に摩耶夫人、諸菩薩を初め一切の生類が嘆き悲しむ光景が描かれている。
本図は、樹木も多くその描き方に特徴があって、伝統的な図様を踏襲しながらも、奥行きの表現に多大の関心を示していることとそして参集する諸天諸王の慟哭の激しさの表現は、鎌倉時代写実主義の洗礼をうけたものをもとにして描かれたことを意味している。